カイロプラクティックで開業するのに資格は必要ない?

カイロプラクティックの施術者であるカイロプラクターになるためには、どんな資格が必要かご存知でしょうか。実は、日本においては、カイロプラクティックに関する国家資格、公式資格は存在しておらず、知識や技術の習熟度に関わらず誰でもカイロプラクターを名乗ることが可能なのです。

世界保険機関(WHO)によってカイロプラクティックは、鍼灸などと同様に代替医療の一つとして認定されていますが、日本では医療や代替医療としては認定されておらず、そのため国家資格もありません。

日本においての、カイロプラクティックの位置づけは、エステや整体などと同じ無認可手技療法に分類されています。柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師などは、医療行為であるため国家資格もあり、法律で管理されていますが、医業類似行為であるカイロプラクティックには関係する法律もありません。資格も法律もありませんので、カイロプラクティックを開業することに、現行法上の制限は何もないのです。

そのため、技術の未習熟な施術者による施術事故や、マルチ商法まがいのトラブルが発生しているという現実もあります。法律による基準がないために、カイロプラクティックの教育機関も数か月で卒業できるものから、2年、4年など、質が統一されておらず、技術、知識、施術倫理、安全管理の質も業者によって様々です。

消費者が業者の質を正確に見分けることは難しいことから、厚生労働省に対してカイロプラクティックの法整備、国家資格の設置などを求める要望書も提出されていますが、現在のところ、カイロプラクティックの法整備、国家資格化の目処は立っていません。

法律も国家資格もないため、それらに代わって施術者や業者の技術を認定したり、正しい知識や技術の普及のための協会が設立されていますが、協会も乱立されており、協会の考えや質もまた様々です。国内の協会を一つにまとめる機関は存在していません。そのため、カイロプラクターにとっては、自分の技術を客観的に証明することが大変難しいという課題があります。

カイロプラクターの資格を法制化している国は、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、EU諸国など約40ヶ国ありますので、それらの国で資格を取得してくるケースや、またそれらの国の法律基準にのっとったカリキュラムを実施する国内の学校を卒業することで、「国際基準クリア」を掲げて開業するケースもあります。しかし、海外の資格は国内での効力はありませんし、「国際基準」についても国際的に統一されたカイロプラクティックの資格がないために、信憑性があるとは言い難いものです。

カイロプラクティックを開業することに、現行法上の制限は何もないとはいっても、それは人体に危害を与えるものでないことが大前提となっていますので、施術事故を起こしたり、マルチ商法まがいの商売をすれば当然処罰の対象になります。

資格の必要がないからこそ、技術の習熟は不可欠であるということを忘れてはいけません。


このページの先頭へ